多くの女の子がそうだったように、子どものころの美保子さんは白馬の王子さまにあこがれていた。「披露宴には馬車で」という夢もあった。しかし、街中に馬車を走らせるためにはいろいろな制約がある。理之さんやホテルとも相談した美保子さんは、自ら警察署に電話。無事に通行許可をもらい、乗馬でお世話になっている馬っこパーク・いわて（滝沢村）に協力をお願いした。
　そして、４月４日、ふたりを乗せた馬車は桜山神社をホテルニューカリーナへ向けて出発。沿道から「おめでとう！」「お幸せに！」と祝福の声がかかる。いつも見ている風景が馬車の上から見ると全く違って見え、15分の道のりが短く感じられたほど、楽しかったという。

　美保子さんはホテルニューカリーナで調理師をしている。理之さんも他店の調理師。だからこそできる演出を披露宴でやることに。まずは、ウエディングケーキをゲストのために88人分カット。そして、キャンドルサービスの代わりに「ベイクドアラスカ」。担当の吉田さんをはじめ、スタッフも交え、作り上げていった。
　「親戚からいい結婚式だったと言われたのがうれしい」と美保子さん。理之さんは「母が夢の中にいるようだと言ってくれました」と笑顔で言った。