2008年5月、私たちは島根県の出雲大社で結婚式を挙げました。
島根は神話の国です。この地に住み、守られていきたいと思い、式場は迷わず出雲大社に決めました。実は出雲大社の中には、観光客が行く大きな拝殿の隣に、道を隔ててひっそりともう一つ、出雲教という神社があります。その静かな雰囲気と、地元の人はこちらにお参りする人が多いと聞いたことから、この出雲教の神社に式をお願いしました。
両家は分かれて一列に列席します。最初、新婦は自分の両親側に座っていますが、式の進行のある時点で新郎側の席に移動します。これまで自分が育った家との別れを象徴しているようで、胸にぐっとくるものがありました。
お祓いや祈祷が粛々と行われ、最後に全員がおとそを頂いて終了しました。
披露宴は、出雲大社のすぐ近くにある老舗旅館の竹野屋さんで行ないました。対応して頂いたのは、竹野屋の専務取締役(竹内まりやさんのお兄さんだそうです)。きめ細かに段取りを決めて頂いただけでなく、司会もして下さいました。その司会進行ぶりは、圧倒的なサービス精神で、全員をうまくしゃべらせ、自身もギター演奏、太鼓での音頭とり、BGM(実際はカラオケ)の準備など、その場を全員が心から楽しめるようにしてくれました。少人数でこじんまりとしていましたが、こんなに皆が大笑いした披露宴なんて、めずらしいのではと思います。親戚の中では「あの島根の旅は楽しかったわねえ」と今でも話題になるそうです。きっと誰の結婚式か忘れても、あの楽しかった時間は列席頂いた方々の記憶にずっと残ることでしょう。
結婚を決めた当初、新婦の両親はこの結婚に反対していました。それを押し切って入籍したときは、式を挙げるつもりはありませんでした。でも、入籍という形で私たちが決意表明した後は両親も祝福してくれ、この日を迎えることができました。
このレポートを書いている時点で既に1年以上が経過していますが、改めて思います。結婚式は親に感謝する場であり、その日をちゃんと迎えられてよかったと。
2008年5月30日(金)大安 挙式
健 さん・千恵 さん
厳かな式と抱腹絶倒の披露宴
出雲大社(出雲教)の拝殿の前にて。